▷ラトビア・リガで開催されたRiga Stratcom Dialogue 2026に参加し、戦略的コミュニケーションの最新の議論を把握することができた。佐々木は、同Dialogueの日本をテーマにした分科会に登壇した。 ▷ 今回の出張を通じて確認されたのは、戦略的コミュニケーションは、広報や偽情報への反論にとどまらず、国家安全保障、同盟運営、社会のレジリエンス、AI時代の認知防衛に関わる重要な政策領域になっているという点である。 ▷ 戦略的コミュニケーションの焦点は、「情報」から「認知」へ広がっている。従来は、偽情報を見つけ、訂正し、正しい情報を届けることが中心だった。しかし現在の議論では、人々が何を信じ、何を恐れ、どのように判断し、どのように行動するかが中心に置かれている。NATOが議論する「認知的優位」は、ナラティブ、心理、意思決定をめぐる継続的な競争であり、軍事作戦、外交発信 、社会的信頼、AI環境が相互に関係している。 ▷ Dialogue全体を通じて、西側も、より能動的・オフェンシブな戦略的コミュニケーションを検討しなければならないという問題意識も議論されていた。敵対者が情報操作や認知戦を通じて社会の分断や意思決定の混乱を狙う中で、西側も、事後的な反論にとどまらず、より能動微・オフェンシブな戦略的コミュニケーションを検討する必要があると強調された。